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書店訪問

INAX出版の取り扱い書店におじゃましました。

2008/11
ブックスキューブリック


KUBRICK001.jpg3年前、初めて営業に訪れた時に惚れ込んでしまった福岡の本屋さんをご紹介します。福岡というと天神地区が最も栄え、大型書店も多く点在していますが、今回ご紹介するブックスキューブリックは地下鉄天神駅から一駅の赤坂駅を下車。10分ほど歩いたけやき通り沿いにあります。この界隈はおしゃれなショップやカフェも立ち並び、けやきの木漏れ日のなかのお散歩が気持ちよい、落ち着いた大人の雰囲気です。
オープンは2001年4月。お店の名前は映画「2001年宇宙の旅」の監督スタンリー・キューブリックに由来しています。
KUBRICK002.jpg店内はわずか13坪でこぢんまりとしていますが、その店内には街の本屋さんとして必要とされるあらゆるジャンルの本がぎゅぎゅっと詰込まれています。まず、通り沿いのガラス張りのディスプレイに並ぶのが新刊雑誌。店内を入って正面の台が新刊に文芸書、一般書。奥の台がビジネス書と女性向け雑誌。その女性誌のコーナーから振り返った奥の棚はインテリアや食文化、旅行書。そして、人文書、新書、文庫のコーナーに続き、レジの右側は児童書、絵本、アート、建築へと流れるような棚が続くといった具合です。
私が取材で訪れた時はちょうどお昼時に差し掛かっていたということもあり、ご近所に住まわれているような女性をはじめ、スーツ姿の男性も気軽に立ち寄る姿が見受けられ、地元の方も親んで利用しているようでした。
こうして書いてみると、普通の街のお本屋さんのように思われるかもしれませんが、一歩お店に足を踏み入れると、その棚作りからは何かピリピリとメッセージが伝わってくるようです。それもそのはず、お店に並べられた本は店主の大井さん自らがすべて選んでいるのです。書店業界の流通では、取次(本の問屋さん)から新刊が自動的に配達される「配本」というシステムがありますが、キューブリックでは「地元のお客様とのつながりを大切にしながら、書店という文化の情報発信の場でありたい」という考えで、配本に頼らず大井さんのセンスに響いた本を揃えています。
KUBRICK003.jpg例えば、先ほど紹介した入口右手からレジ横に続く棚。児童書から絵本、アートへという流れは、「子どものための絵本という括りだけではなく、その文章や挿絵から、大人も楽しんだり気づいたりできる本があるはずなんです」とおっしゃるように、お馴染みの『ぐりとぐら』(福音館書店)の隣には個性的な怪獣のキャラクターが楽しい『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)。また白黒の挿絵が印象的な『もりのなか』(福音館書店)というように、大人の視点からも楽しめる本が並びます。
KUBRICK004.jpgまた、おおまかな雑誌と単行本の棚の括りはあるものの、「雑誌もそれぞれのジャンルにあった棚の下に配置するようにしています。自分も本屋さんでは雑誌と書籍との境は関係なく、一緒に買うのが好きだったから」。
そのため、食の棚にはグルメ雑誌と食べ物にまつわる本が並び、同様にインテリアの棚、デザインの棚、建築の棚なども、それぞれのジャンルの本と雑誌がまとまりをもって受け止められるようになっています。

店主の趣向が大きく影響している品揃え。それでいて、必要としている人に必要とされる本がきちんと置いてある。そんな絶妙なバランスがキューブリックにはあるのです。
そんななか、「あ、ここは福岡の本屋さんだった」と気づかされるのがアートの棚の向かいに置かれたテーブルの一角。「ここは福岡コーナーなんです」。そこには地元福岡の出版社、書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)の『福岡喫茶散歩』や、九州を中心としたもの造りに携わる人や文化を紹介する『手の間』という冊子が置かれていました。さらに、店内を巡る棚の上には写真家川上信也氏による九州をテーマにした風景写真が展示されており、福岡市内を歩くだけでは気づき得ない、九州の自然の奥深さを感じ取ることができました。
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さて、福岡では各書店、出版社、編集者などの垣根を取り払い、みんなで福岡の人々と本とのつながりを深めてゆこうと、「BOOKUOKA(ブックオカ)」というイベントが2006年より行われています。このイベントも今年で3年目。ちょうど今月がそのイベント月間です。もちろんキューブリックも参加しており、11月8日の土曜日にはキューブリックのあるけやき通り沿いでは、東京不忍ブックストリートでもおなじみの「一箱古本市」を開催。期間中は、地元福岡の書店で働く書店員さん100名が選んだ「激オシ文庫フェア」、お父さんによる子どもへの読み聞かせイベント「読み聞かせオヤジバトル」、また、新訳『カラマーゾフの兄弟』で話題となったロシア文学者の亀山郁夫氏による公演などなど、この1ヶ月間は盛りだくさんな本のイベントが続きます。
KUBRICK008.jpgさらに、キューブリックは先月10月11日にJR博多駅から鹿児島本線に乗って2つ目の箱崎駅前に第2号店をオープン。こちらのお店は1Fが本屋さん、らせん階段をのぼった2Fにはお野菜ベーグルの美味しいキッチン・スタジオ&カフェ、それからギャラリースペースも兼ね備えています。
これからは、本屋さんというメディアだけに収まらない、ギャラリーという場を活かした企画で情報発信をしてゆくとのこと。ますますの発展が期待されます。
小さな間口の本屋さんですが、その中はとても大きな奥行きをもった広がりのある空間。店名の由来どおり、本との出会いによって、いろいろなストーリーや旅に導いてくれるようです。
ブックスキューブリック
〒 810-0042
福岡市中央区赤坂 2-1-12
ネオグランデ赤坂 1F
TEL:092-711-1180
FAX:092-711-1186
ブックスキューブリックURL:http://www.bookskubrick.jp/index.php

営業時間
11:00〜20:00

定休日
毎月 第2・第3月曜日

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