INAXについて

ニュースリリース

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太陽電池冷却による発電効率向上を目的に
新環境素材「保水セラミックス」の実証研究をスタート
産官学共同で、再生可能エネルギー拡大のための研究開始

2011年03月25日

環境活動
INAXは、地球環境問題における研究開発を積極的に進めています。現在、研究開発中の新環境素材「保水セラミックス」の新規用途開発として、2010年5月より大同大学工学部電気電子工学科 佐藤研究室と「保水セラミックスを用いた太陽光発電効率向上システム」に関する共同研究を行なっており、2011年3月より「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」にて実証研究を開始します。

地球環境問題に取り組むため、低炭素社会実現に貢献する再生可能エネルギーのひとつとして、太陽光発電が注目されています。現在主流となっている結晶シリコン系太陽電池は表面温度が上昇すると発電効率が低下するといった特性があります。特に日射量の多い夏季には、太陽電池の表面温度が50〜60°Cになり、定格発電量に比べて10%以上低下する可能性があります。大同大学では、この課題に着目し、間歇水冷(かんけつすいれい)による太陽電池の発電率向上に関する実験を行い、その有効性を実証しました。
※間歇水冷:間隔をおいて水を流す方法

INAXが研究開発を進めている「保水セラミックス」は、高い保水性能と蒸発性能を持っています。これを表面温度が約50°Cの太陽電池パネル裏面に設置すると、その保水・蒸発作用により、約10°C低下させるという実験結果が得られています。そこで、効率的に太陽電池を冷却し発電効率を向上させることを目指し、INAXは大同大学と共同研究を開始しました。その研究のひとつとして、愛知県が新エネルギー関連産業の振興を図るため、技術の実用化を促す研究開発拠点として整備された「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」で実証試験をスタートします。

INAXは、新環境素材「保水セラミックス」を用い、最も効率的な太陽電池を冷却するシステムを開発することで、低炭素社会の実現に貢献していきます。
保水セラミックスを用いた太陽光発電効率向上システム

太陽光パネルの特性と、大同大学のこれまでの研究

太陽光パネルは気温や日射により、表面温度が上昇すると、発電効率が低下する特性をもち、結晶シリコン系太陽電池の場合、表面温度が1°C上昇すると発電効率が約0.5%低下します。特に日射量の多い夏季には太陽光パネルの表面温度は60°Cを越えることもあり、発電効率が約10%以上低下する可能性があります。
大同大学では、この課題に着目し、太陽光パネルの表面を間歇水冷し,水の気化熱を利用することにより温度上昇を抑えると同時に、それに要する電力と水を最小限に抑える冷却方法の有効性を証明しました。

「保水セラミックス」の特長と、これまでの研究

太陽電池モジュール表面温度

「保水セラミックス」は、INAXならではの気孔制御技術により開発した多孔質セラミックスで、保水率60%以上という高い保水性能を持ち、かつ毛細管現象によって優れた蒸発性能を発揮します。また、セラミックスとしての高い耐候性も特長です。この「保水セラミックス」を表面温度が約50°Cの太陽電池パネルの裏面に設置し、吸水させると、約10°C低下させるという実験結果が得られています。

保水セラミックスの特長

実証研究概要

大同大学とINAXの両者の技術により、太陽電池を冷却する水を「保水セラミックス」内に一旦蓄え、最も効率的に太陽電池を冷却し、発電効率を向上させる検証を行います。

1.目的

・冷却効率の高い素材の最適形状の把握
・設計・施工方法の改善による、最も効率的なシステムの把握

2.原理

太陽光パネルの裏面に「保水セラミックス」を設置。日射により太陽電池の温度が上昇すると、セラミックスに散水し保水させます。この水が蒸発して気化熱を奪い、太陽電池を冷却させ、発電効率を向上させます。

3.方法

散水方法、保水セラミックスの形状などを変えた6種類の試験条件で太陽光パネル(2.5kW)の出力データを同時並行で収集します。

保水セラミックスの形状
保水セラミックスの散水方法

4.計画

2011年3月25日から測定を開始し、2012年2月に愛知県主催の発表会にて中間報告、2013年3月に最終成果報告の予定です。

「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」

実証試験を行う「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」は、愛知県が新エネルギー関連産業の振興を図るため、技術の実用化を促す研究開発拠点として整備されたものです。実証研究の場を提供するなど、企業の取り組みを支援しており、2011年3月現在、6企業7テーマの実証研究が行なわれています。今回の実証試験では、エリア内にある設備「多結晶シリコン型太陽光発電システム」の一部を使っています。

あいち臨空新エネルギー実証研究エリア

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