青木 克世 展 会期 : 2005年5月2日(月)〜5月28日(土) |
青木さんの作品は、白磁土によるウエディングケーキのようなデコレーションを施した杓杖のかたちや、塔、王冠や祭祀にもちいられる道具のような立体作品などです。5メートルの長さの細い杓杖が空中にぽっかり浮ぶように展示されたり、ほっそりとした建築のオーナメントのようなかたちを屹立させたり、王冠のようなシャンデリアが吊されてあったりと、やきもの素材の特質である繊細さ、壊れやすさを逆手にとった表現です。艶やかな白磁そのものの色彩と、びっしりと表面を覆い尽くす「西洋装飾様式」による過剰なディテールが特徴です。 真っ白さと過剰な装飾に呪術的なものを感じますが、これら青木さん独特のモチーフは個人的な体験から来ています。洋館やドールハウス、少女雑誌のヒロインなど欧米スタイルで表わされた文化で過ごしてきたことが身近な感覚として表われています。一方モダンデザインの横溢している今という時代にあって、青木さんの作品は、私達がいっせいに装飾や装飾的なものをどこか遠くに置き去りにしてきてしまったことを気づかせて、うしろめたさのような感情に触れてきます。静謐な印象ながら、強く語りかけてくるものがあります。 青木さんは、2000年に美術大学大学院の陶芸科を卒業し、2003〜2004年に文化庁の海外留学生制度により、ニューヨークにて制作をしました。伝統の浅いアメリカ陶芸に触れ、現代美術や現代陶芸という枠を意識することなく、自由に闊達に自らの価値基準で表現を続ければいいのだと改めて感じたと語ります。 今展では白一色から、青い釉薬でドローイングをしたタイルパネルや、貴族的な馬のモチーフの寓意など、新たな展開が始まりました。これらの展示は、2005年3月にINAX世界のタイル博物館(常滑)で行われた「やきもの新感覚シリーズ」の2会場のスペース(約100平米)で展開されたものを元に、再構成されるものです。 |
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