ceramica

永谷 一 馬展
―内発の幾何学陶―

会期=2005年4月5日(火)〜4月26日(火) 休廊日=4月6、20日(火)
■ アーティスト・トーク ■4月5日(火)18時〜19時
会場にて、制作のことなど作家ご自身に語っていただきます。先着順、入場無料




永谷さんの作品は円錐や直方体など、シンプルな幾何学形態をした陶のオブジェです。黒土に粉が吹いたように白い粒子が浮かび上がっていたり、乾いたコンクリートに土星のような縞模様が浮き上がっているといった、豊かな表情を持っています。20cm四方の作品が1点1点展示台に乗せられて展示され、会場全体が緊張感あふれた小宇宙といった趣です。今展では、台に乗らない作品を含め8点ほどが出品される予定です。
エッジの立った円柱や半円といったかたちは、いずれも石膏による型成形で、たたらを剥ぎ合わせてつくるために、内側は空洞になっています。それによって焼成した時に、自然にひびや亀裂が走り、また土に混ぜた釉薬や鉄や銅の作用によっても、固く丸めた土団子や、三和土のような自然の土や鉱物を彷彿とさせる表情が出ていて魅力的です。幾何学形というかたちのシンプルさと、古びた表情。このような作品は今までもありましたが、永谷さんの作品からはシンプルな形態が内に秘めているエネルギーのようなものが強く感じられます。
 永谷さんは昨年美術大学を卒業後、今は制作に没頭する毎日を送っています。一旦自分の手を離れて窯で焼成することによって、自然がつくる作用を楽しめるためにやきものを素材に選びました。絵画や彫刻では、タッチが自分をそのままに表現してしまうように感じてしまい、かえって素直になれないのかもしれません。それは写真や映像表現を選ぶ感覚に似ていて、表現したいことをストレートに表わすために、あえて見慣れた既存の媒体をもちいるかのようです。やきもののテクスチュアを間接的な感覚を通して獲得しようとしていることが、逆に新鮮です。
 今展は永谷さんの東京での初個展開催となります。繊細さと鋭さと、宇宙を捉えたような重厚さをあわせ持った、土による新しい表現をご覧下さい。




Nagatani Kazuma プロフィール
1982 兵庫県生まれ
2004年 京都精華大学芸術学部造形学科陶芸専攻卒業
グループ展
2002年 ギャラリーそわか/京都
2003年 ギャラリーマロニエ/京都
2004年 京都市美術館
個展
2004年 ギャラリーマロニエ/京都
手塚愛子
手塚愛子
手塚愛子



2004年 展覧会記録  2005年 展覧会スケジュール


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