畑 絢子展 ―まだここにない陶景へ― 会期 : 2005年1月7日(金)〜1月30日(日) |
畑さんの作品は、和紙のような薄い白磁の花が、50cmの高さの細いステンレスの茎の先で揺れている、儚げで幻想的なやきもののインスタレーションです。数十本が空間いっぱいにコスモス畑のように展示される様は、無限に清らかな異空間に囲まれるような体験です。 畑さんの作品の多くは、「ツキノハナ」「月跡」「宙ノ路」と名づけられ、実際には見ることのできないものや、物質としてのかたちを持たないものをモチーフにつくられています。「ツキノハナ」は、天体望遠鏡や写真でしか見ることのできない月面クレーターや無重力、限られた光の世界などから、例えば月に花が咲いたらどんな花だろうかと言う想像でつくられました。落ちたら割れてしまうやきものの特性に挑むように、薄い白磁を振動や空気の動きでゆらりふわりと動かせてみせて、見る者をざわざわどきりと不安にさせ、怪しい気持ちのうちに感動させます。 例えば、私達が空という巨大な空間を上っていくとしたら、どんな感じなのか。水泳をする時のように水を掻く感じなのか、ジェットコースターに乗った時のように体が外に放り出されるような感じなのか、それとも飛行機に乗った時のように思いがけない抵抗を感じるのか。そんな想像をかたちにしたのが、畑さんの作品です。 金沢美術工芸大学大学院を卒業後、勤務先の広島へ移って制作を続け、昨年朝日陶芸展にて秀作賞を受賞し、今回が東京での初個展開催となります。 今展では「ツキノハナ」がさらに新たなるかたちになって登場します。会場では、これまで壊れそうで恐くて側に近寄れなかった作品群の中を、実際に歩いて頂ける展示プランとなっています。 |
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