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漂着物学会
民俗学、環境学、自然科学、統計学など、さまざまな角度から漂着物を研究することを目的に、2001年11月に設立された。素朴な疑問と日々の活動の積み重ねを大切にし、子供から大人まで気軽に海や漂着物と対話してほしいと願っている。漂着物学の第一人者で「新編漂着物辞典」(海鳥社)ほかの著書がある石井忠氏を会長に、会報「どんぶらこ」の発行、学会の開催などの活動を続けている。
漂着物学会HP
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http://www.gallery.ne.jp/~sunahama/drift/gakkai.htm
漂着物学会入会のご案内、メーリングリストなど。
漂流物をテーマにした物語「漂流紀行文学賞」紹介もある。
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会場写真(すべてINAXギャラリー名古屋)
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■ヤシノミ
1898年愛知県渥美町の伊良湖岬に旅した柳田國男は漂着したヤシノミを見つけ、その感動は島崎藤村に伝えられて「名も知らぬ遠き島より、流れ寄る椰子の実ひとつ」の詩がうまれた。柳田は、漂着したヤシノミのように、稲が南から島伝いに伝わってきたとして1961年「海上の道」を著した。渥美町観光協会では1988年から毎年約100個のヤシノミを「遠き島」に見立てた沖縄県石垣島から流し続けている。ヤシノミは黒潮にのって日本各地に漂着し、ついに2001年8月、そのうちの1個が渥美町に流れ着いた。 |
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■ブライアンの手紙
1991年高知県中村市の平野海岸で砂浜美術館の学芸員が見つけた。アメリカ・テキサス州のブライアン君が理科の実験のため、大西洋側と太平洋側に流した1106本のうちの1本で、発見までに5年かかっている。中には9ヶ国語で書かれたメッセージが封印されていた。 |
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■空き缶
開栓されていないのに空き缶となった不思議なもの。目に見えない疵や腐食の穴から中身が流れ出したのだろうか。
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■浮き
どの浜辺でも見つけられるもっともポピュラーな漂着物で、最近はプラスチック製が主流である。浮きに刻まれた文字(陽刻)などから、中国製、韓国製、台湾製と思われるものもある。 |
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■使い捨てライター
1974年に登場し、以来またたく間に普及した使い捨てライターは、自然界では腐敗・分解されないので、いまや漂着物の常連ともいえる存在である。
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■レジンペレット
プラスチックの製品原材料になる合成樹脂粒。大きさは直径3〜5mm、透明や乳白色をした、錠剤形、円筒形または球形で、海鳥が魚の卵と間違えて食べて死ぬことがある。積荷の揚げ降ろしの際にこぼれ落ちて海に流出する。 |
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■海漂器
1991年4月まで、台湾から中国大陸に向けて流された。容器の中身は、台湾の豊かさをアピールするビラや石鹸などが入っていた。 |
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■船霊様
航海の安全や豊漁を祈願して船の中央に納められる船の神様。木を刳り貫いた中には、黒豆・さいころ・10円玉・米が入っていた。 |
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