INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


丸善京都河原町店

2003年08月 ご紹介

店内

色とりどりの画集を積み上げ、その上に袂から取り出した鮮やかな檸檬を一つ据え、黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けたと、大爆発する様を夢想する男。大正時代を背景とした梶井基次郎の短編小説『檸檬』の舞台となった書店が、今回ご紹介する丸善京都河原町店です。

丸善 京都河原町店の始まりは、明治5年、二条に開店した書籍や薬を扱う丸屋善吉店 京都支店です。その後、場所を寺町通り、現在の河原町へと変えながら京都の町に130年余もの間続く、老舗の大型書店です。買い物客や観光客で賑わう河原町通りの現在のお店は8階まであり、和書の販売面積は380坪、その他、丸善らしく充実した洋書、アパレル、文具も揃っています。

書籍フロアチーフの中森さんに店内をご案内いただきました。

知恵の女神、アテナ像を左に見ながら入口を入るとすぐに、各階のお勧めや新刊本の棚が並びます。多層階の書店は上階までお客様がなかなか上がってきてくれないのが悩みの種といいます。面白いフェアや専門書などが揃う上の階までお客様に上がってきて欲しいという思いを込めて、入口に各階の魅力をアピールする書籍が並びます。

文芸書や文庫本が並ぶ2階ではユニークなフェアを開催中でした。「丸善河原町店選りすぐりの文庫100冊」というタイトルで書店員さんたちが選んだ百冊の文庫本一冊一冊に、丁寧なお勧めのコメントがつけられています。書店員さんの個性が溢れるコメントを読みつつ、じっくりと文庫本を吟味していると、文庫本の気安さで、普段とは少し違う本も買ってみたくなります。

外観・昼 外観・夜

店内

理工書、建築書は6階にあります。ここでは棚に「INAX」のインデックスを設けて、10+1のバックナンバー、INAX叢書、10+1シリーズ、BOOKLETやALBUMなどを揃えて置いてくださっています。建築雑誌のバックナンバーも揃い、読み物、実用書共に豊富な品揃えです。ここでも「アーキテクチュアル・スタディ−ズ」というタイトルでフェアが行われ、INAX出版の『20世紀建築研究』『アジア建築研究』やバウハウスに関する書籍、またイーフー・トゥアンの『個人空間の誕生』など、建築の外にも広がりを持つような書籍までを集めていました。
また同じ6階で目をひくのが、充実した医学書の品揃えです。広く明るい店内で、学生さんでしょうか、若い女性の方がじっくりと医学書を開いて、選んでいる姿が見受けられます。

洋書も揃う7階の美術書のフロアでは、沢渡朔さんの写真集『少女アリス』の復刻版にあわせたブックフェアなどが開催されていました。記事なども貼り出されたフェア台やテーマを感じる平台は情報量が多く、手作り感覚もあり、足をとめてじっくりと棚を読むように楽しめます。

店内 店内

三条から四条の間の河原町近辺には、昔から萬字堂書店、そろばん屋書店、駸々堂京宝店、駸々堂河原町店、文祥堂書店、、サワヤ書店、丸善、京都書院、オーム社書店など、それぞれ個性を持った書店が軒を連ねていたといいます。京都の書店地図が大きく様変わりした現在、店長の伊藤さんは「そのような時だからこそ、丸善が担わなければならない任務は大きい」とおっしゃいます。「専門書店が消えていく中、より一層充実した書店づくり、棚づくりを目指したい」と、力強く話してくださいました。

店内

この丸善京都河原町店では、今でも年に数回、誰かが書棚に密やかに檸檬を置いていく、といいます。良く見ると、レジの片隅にも『檸檬』の文庫本と輝くレモン・・・。この書店の歴史を静かに語りかけます。


丸善 京都河原町店

〒604-8033
京都市中京区河原町通蛸薬師上ル
TEL : 075-241-2161
FAX : 075-241-0653

営業時間 : 10時〜21時

年中無休

e-mail: sd-kyoto@maruzen.co.jp
ホームページ: http://www.maruzen.co.jp/



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